医療法人設立の注意点

医療法人にするか否かの検討から、医療法人立診療所の開設まで、おおむね1年かかります。

また、医療法人設立認可申請は、年に2回と決められている都道府県が大多数です。
株式会社のようにいつでも設立できるわけではありません。
遅れると次回まで半年待たなくてはならなくなるので、注意が必要です。

申請時期については、兵庫県はおおむね5月と9月、大阪府は5月と11月です。

ですので、医療法人の設立は、計画的に進めていかなくてはなりません。

医療法人設立のスケジュール

申請前の検討
医療法人にした場合のメリットとデメリットを資料やデータ、将来の希望などをもとに、じっくりと検討します。
医療法人設立の要件を備えているか確認します。
事前相談(兵庫県)・事前登録(大阪府)
兵庫県:医師が管轄の所管庁へ連絡の上、事前相談を行います。
    ただし、歯科医師会に加入している歯科医師は、地区歯科医師会へ連絡のうえ、事前相談を行います。
    歯科医師会に未加入の場合は、直接所官庁へ連絡のうえ、相談します。
    事前相談となっていますが、仮の書面を作成の上相談することになりますので、しっかりした準備が必要です。

大阪府:インターネットで医療法人設立の意思表示(事前登録)をします。
    年に2回(だいたい5月と11月)、期間は約1カ月間です。
    この事前登録を忘れると、申請が認められませんので要注意です。
定款の作成・設立総会の開催
所官庁が示しているモデル定款をもとに、医院に応じた内容の定款を作成します。
医療法人を設立する際の設立時社員(発起人)全員による設立総会を開催し、医療法人を設立する旨を決定します。
医療法人設立認可仮申請(申請書案の提出)
都道府県が出している手引きを参考にしながら申請書類を作成し、所官庁へ提出します。
医療法人設立認可本申請
申請書類に押印し、正式に医療法人設立認可申請をします。
印鑑証明書など有効期限がある書類も添付して申請します。
都道府県の医療審議会で審査
所官庁である都道府県の医療審議会で、医療法人として認可するか否かの審議がなされます。
会議室
医療法人設立認可
医療法人の設立が認可されましたら、「医療法人設立認可書」が交付されます。
医療法人設立登記
「医療法人設立認可書」到達日から2週間以内に、医療法人設立登記申請をします。
設立登記が完了しましたら、所管庁に医療法人設立登記完了届を提出します。
診療所開設許可申請
診療所の所在地を管轄する保健所へ診療所開設許可申請をします。
地区医師会へも許可申請書を提出しなければならない地域もあります。
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法人口座開設・拠出金払込
金融機関で医療法人名義の口座を開設して、拠出金を振込みます。
医療法人診療所として診療開始
この日を境に、個人診療所は廃止となり、新たに医療法人診療所がスタートします。
診療所開設届等
管轄保健所へ10日以内に届出します。
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保険医療機関指定申請
管轄の地方厚生局へ10日以内に申請します。
10日を過ぎてしまいますと、遡及が認められなくなり、保険診療報酬の入金が1か月遅れてしまいます。
要注意です。
諸手続
各所官庁に下記の手続き(主な例)を行います。

被爆者一般疾病医療機関指定申請
結核指定医療機関指定申請
生活保護法による指定医療機関指定申請
難病の患者に対する医療等に関する法律の指定医療機関指定申請
児童福祉法の指定小児慢性特定疾病医療機関指定申請
麻薬施用者免許変更届
母体保護法指定医師の変更届

など
税務関係、社会保険関係、労働保険関係の手続
税務関係:税務署や県税事務所へ法人設立届出をします。
社会保険関係:年金事務所や医師国民健康保険組合(医師国保を継続する場合)に諸手続きを行います。
労働保険関係:ハローワークへ諸手続きを行います。